コラム

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今度会ったら花束を君に

びゅうびゅう、びゅうびゅう。とても大きな音がした。 地下鉄の階段を上がり、信号を待つ。仕事を終えてヘトヘトな体で、近所のスーパーに向かった。 足で踏むタイプのアルコール消毒をする。消毒液が体から毒を消してくれるのであれば、ほんとは頭からかぶ...
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うだつが上がらない。

たまに聞く言葉。うだつが上がらない。うだつってなんだ。漢字で書くと梲。この梲が何かと説明致しますと所謂、家屋に取り付ける防火壁なのだそうだ。その昔、町屋が隣り合わせに建てられた際、隣家からの火事の燃え移り防止として取り付けられていたのだとか...
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答えはいつも2択。

うーん。何を書こうか。役に立ちそうな事がいいなぁ。ウンウンと頭を悩ませながら書いている。おれの生き方なんて褒められたもんじゃないが、一つだけ特技がある。選択肢にYES、NO以外の中間が介在しにくい事だ。それが例え偏見だったり偏屈だったり人か...
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BACK ON MY BEAT 2

1話はこちら支度を終え、部屋でぼーっとしていると外から軽いクラクションの音がした。安っぽいクラクションの音。旅の合図にしては情けない音だったが、こんなもんだと思った。身分相応だ。急ぐ事もなく気怠く表に出るとボッコボコのワンボックスに野良犬み...
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BACK ON MY BEAT 1

夢を見た。何だか薄暗くてヌルヌルした世界観。顔がツルっとした若い女と銀色髑髏の柄が付いたステッキの老人。すぐに夢だと気が付いた。明晰夢ってヤツだ。昨日観たロードショーのせいだ。高校生の頃はたまにこれが出来た。世界は自由自在、ワールドイズマイ...
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先輩が死んだ。

数日前先輩が死んだ。タイトルの通り死んだ。死因は一応伏せておく事にする。先輩と知り合ったのは大学の頃。単純に大学の先輩だ。他の何者でも無い。ろくすっぽ大学にも行かなかったおれも、さすがに単位を落としちゃマズイって事でテスト期間中などは勤勉学...
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信仰は不自由。

案の定、ロクに寝れなかったし酒も残っている。先日、何年ぶりに昔のバイトのおばさん(おれは現在自営業を営んでいる為、昔雇用してたおばさんだ。)からLINEに連絡がきた。おれのLINE設定は電話番号さえ知っていれば誰でも入手可能なガバガバ設定の...
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汚ねぇ大人になるように。

おれの小中学生の同級生にナオちゃんって男の子がいた。ナオちゃんは知的障害者だ。身体の発育はおれらと同じだけど知能は小学生のままだった。うちの中学は普通のクラスとひまわり学級だか朝顔学級だか忘れたけれど不登校や、そういった障害を持った生徒専用...
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自分の正義を強く問え。

おれはガキの頃から有難い話が大嫌いだ。坊さんの説法、校長の長い与太話、最近じゃ自己啓発系のインチキ臭い話、全部まとめて大嫌いだ。なぜ、自分がそうなったのか。それは分からない。物心ついた頃からずっとそうなのだ。先天的価値観なんていうと大袈裟な...
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玉虫色の青春。最終話。

※1話はこちら おれは、カラフル隊長率いる悪役商会の中央で座らされていた。勿論、そう指示されたからだ。正座で座った方が反省してる感じは出るのだが、そこは胡座で勝負する事にした。と言うか足が痺れるのが単に嫌だったからだ。さてさて、どうしたもん...